思ったように上がっていかない・・JX金属の今を分析してみる

IPOで100株だけ購入したJX金属(5016)ですが、一時5,000円を突破したときに喜んだ後今現在は3,500円前後を行ったり来たりの状態が続いています。
キオクシアのようにとはいかないですが、業績も悪くないしもっと上がっていいのに・・と思っている方も多いのではないでしょうか?

ということでJX金属の今を少し掘り下げてみようと思います。

目次

株価が3,500円前後で停滞している主な4つの理由

  1. 市場コンセンサス(アナリスト期待値)を下回る保守的なガイダンス
    2026年3月期は純利益が前期比+53.3%増(1,046億円)と過去最高益を更新する極めて優秀な着地となりました。しかし、同時に発表された2027年3月期の会社側見通し(純利益1,140億円・約+8.9%増)が、過熱していたアナリストの強い期待値(コンセンサス)に届きませんでした。
    「好業績だが、成長の勢いが一旦落ち着く」と受け止められ、材料出尽くしによる利確売りに押されました。
  2. 「最高益の中身」が先端材料ではなく市況依存だった点
    市場がJX金属に最も期待しているのは「AIサーバー向けスパッタリングターゲット」や「InP基板」などの高粗利な半導体材料の成長性です。
    しかし、足元の利益急増を最も引っ張ったのは、AI素材ではなく銅価格高騰などの影響を受けた「ベース事業(銅製錬・資源)」でした。市況頼みの利益は銅相場の反動で減益に転じるリスクがあるため、市場はPER(株価収益率)を高く評価(買戻し)しづらい状況になっています。
  3. 資本政策(CB発行×自己株TOB)による株式希薄化の懸念
    親会社であるENEOSホールディングスの持ち分を減らし独立性を高める目的などで、2,500億円規模の自己株式取得(TOB)を実施しましたが、その資金調達手段として「CB(転換社債)」を発行したことが市場から嫌気されました。
    CBは将来的に株式に転換できる債券のため、「株式数が将来増えて1株あたり価値(EPS)が薄まるのではないか」という希薄化懸念が売り圧力となりました。
  4. マクロ環境(長期金利の上昇とAI株の調整)
    日本をはじめ世界的に長期金利の上昇傾向が続いたことで、「将来の利益成長を見越して高値で買われやすい成長株(グロース株)」全般に割引圧力がかかりました。また最近ではAIの開発をもっと慎重にという動きも見られます。
    高バリュエーションで買われていた同社もこのマクロの売り圧力に巻き込まれました。

特に3をきっかけに5,000円台から下がっていった記憶がありますね。
これに関しては少しやり方がよくなかったのではと思っています。

もうひとつの見逃せない理由

株価低迷のもうひとつの理由としては、信用取引の状況(需給バランス)かなと思っています。
信用買い残が非常に多く、上値を重くしている大きな要因(需給悪化)になっています。
いくら業績や将来性(ファンダメンタルズ)が良くても、この「信用買い残」という需給の重しがあると、株価は上に行きたくても上がりにくい停滞状態になってしまいます。

  1. なぜ「信用買い残」が多いと株価が上がりにくいのか?
    信用取引で株を買っている投資家は、将来的に必ず以下のいずれかの行動をとる必要があります。
    なので、市場では「信用買い残=近いうちに必ず出される売りの圧力(将来の売り圧力)」とみなされます。

    ・返済売り(売り決済): 株価が上がった段階で売って利益を確定する(または損切りする)。
    ・現物引き取り(現引き): 買い付け代金を支払って現物株として引き取る。

    現在、JX金属の信用買い残は2,000万株以上にのぼり、信用倍率(買い残÷売り残)も30倍超と非常に高い水準で推移しています。
    株価が上昇しようとすると、高値で信用買いをして含み損を抱えていた投資家が「ようやく買値に戻ってきた」と一斉に返済売りをぶつけてきますので、これが強い「壁」となります。
    また、制度信用取引の場合は買付けから6ヶ月以内に決済しなければなりません。株価が停滞して期日が近づくと、含み損を抱えた投資家による「投げ売り(強制決済)」が発生しやすく、下押し圧力になります。
  2. なぜここまで信用買い残が溜まってしまったのか?
    ・IPO(新規上場)やAI関連としての注目度が高すぎた
    「AI半導体・先端素材の本命」として個人投資家に絶大な人気を博したため、「下がったら買い」と信用取引でレバレッジをかけて押し目買いをする個人投資家が殺到したのだと思います。

    ・「押し目」で買ったつもりが、価格が停滞して塩漬け化した
    4,000円〜5,000円を期待して3,800円や3,600円付近で買った投資家が、その後の調整で含み損を抱えたまま決済できず、買い残が積み上がったまま残ってしまっているというのもあると思います。

ここまでを踏まえて今後の予想

思ったように株価が上がらないのは様々な理由がありそうだなぁと思いました。(多分他にもある・・)
ただ、どれも短期的には低迷に繋がっていそうですが、中・長期で見るとそこまで重要な懸念事項ではないと思うので、キオクシアほどの急成長はないものの、大きく業績を落とすような銘柄でもないのでゆっくり上がっていくのだと予想しています。

バイアンドホールドスタイルの私にしては珍しく売却を念頭に置いて購入した銘柄なのでどこかで利確してしまう可能性はありますが、できるだけ長く持っておきたいですね。

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